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2013年02月08日

関係者インタビュー③

今日は第三回目の関係者インタビューです。今回は音楽制作者の難波研さんです。


−初めまして!槌谷彩香です。よろしくお願いします。

難波さん「初めまして!」

−宜しくお願いします。
本日はお時間いただきありがとうございます。

難波さん「何なりと気軽に聴いてくださいね」

−はい!ありがとうございます。それでは早速始めさせていただきます!

難波さん「はい!宜しくお願いします。」

−メールにも一度書いたのですが、今回のプロジェクションマッピングというプロジェクト。難波さんはなぜ参加しよう、という風に思いましたか?

難波さん「そうですねぇ。まずは山森さんにお声かけいただいた事があります。それとやはり、自分の故郷に何かしらの形で恩返ししたい、というのが大きいですね。」

−やはり浜松出身は大きいんですね。浜松に対する思い入れはあるんですか?

難波さん「そうですね。自分の今があるのは、浜松で過ごした時間があったからだと思っています。浜松に限らず、静岡県という土地からの影響はとても大きいです。」

−そうなんですか!静岡県、というとまた幅が広がってきますね。静岡県と音楽とのつながり、というのはあります?

難波さん「そうですね。一番はやはり、浜松市ですが、焼津や静岡市にも色々な想い出があります。最近は行けてませんが、昔は煮詰まるとよく御殿場や河口湖のあたりに旅行にも行きました。静岡と音楽のつながりは色々あってやっぱり、言葉使いやアクセントの位置は、静岡の人間らしい癖が出ていると思います。あとは、時間に対する感覚も、都会の人や他県の人とは違うように思います。」

−御殿場のどこらへんに行っていたりしていたんですか?
私、石川県出身なので、まだ静岡の事はあまり知らなくて・・・

難波さん「駅の近くに宿をとって、ひたすらブラブラしてました。
アウトレットもあるし、富士山にも行けるし、夏は凄く過ごしやすいんですよ。石川!今度仕事で金沢に行きます。」


−本当ですか!それはうれしいです!!では、頭を一旦休めてリラックスをしに色々なところへ旅をされていたんですね。

難波さん「自分は岐阜の白川郷の伝承を題材に作品書いていたりするので、近所(とまではいきませんが)まではよく行ってたんですが、ずっと金沢に行きたかったんです。そうですね!自分は自然がないと生きていけないのでw 泉鏡花が大好きで!」

−小説家の方ですか!

難波さん「そうです!自分は本を読むのが大好きで。」

−恥ずかしながら石川県出身なのに知らなかったので思わず調べてしまいました…

難波さん「昔の人ですからねw 最近は、朗読劇や舞台ばかり作ってるんですが、それも本好きがこうじてなんですよ」

−本好きですか〜。そういえば、難波さんはライトノベルなどからインスピレーションをもらって作曲もしているとか・・・

難波さん「ええ。自分の音楽は言葉と風景に密接に関係してるので。」

−難波さんの"音楽"というと?

難波さん「自分の作る作品すべてですね!色んなタイプの曲を作りますが、それら全てに共通しています。」

−私もいくつか難波さんの作品を聞かせてもらいましたが、本当に様々なスタイルの音楽でした!

難波さん「よく”どんな曲作るの?”って言われるんですが、自分でも何ていっていいかわからないんですよねw でも、その時表現したいものに一番最適な形で作品を現実化してるだけなので、全部自分なんです。」

−なるほど。全ての曲が自分を表現している、自分自身なのですね。
では、今回のDBTのために作った"ひかりのきせき"という曲はどういう思い入れで書かれたのですか?

難波さん「Twitterにもちょろっと書いたんですけど、テーマに合わせた上で、浜松で生まれ育った人間じゃないと表現できないものを書いて、浜松に恩返ししたかったんですね。」

−難波さんの”恩返し”が今回の曲につながったんですね。

難波さん「そうですね。企画書を見たり、山森さんにお話を伺ってみて、”二面性”っていうものと”過去、現在、未来”っていう2つの要素が凄く大事だと思って、作曲の段階中にかなり意識しました。」

−でも、今回の曲はプロジェクションマッピング用の曲であり物体に映像を投影する時に流れる曲ですよね。普段考える曲とはやはり違って難しいものがあったんじゃないですか?

難波さん「そうですねぇ…あまり難しいとは思いませんでした!むしろ楽しかったです。それこそ、今回の企画の説明に書いてあった”内と外の感覚の違い”みたいなものかと。企画的には”外”ですが、人間自体は”内”ですからね。」

−内側から感じて作曲するというような意味ですか?

難波さん「DBTの皆さんがやりたい事(企画書や曲についてのオーダー等)をしっかり尊重した上で、浜松に生まれ育った人間としての目線で曲を作る。それによって、”ギャップ”や”視点”を多面的に表現出来るし、過去-現在-未来を作品の中に存在させられる訳です。音楽だけで主張する作品ではないので、これは凄く重要な部分です。」

−今までは、音楽だけで主張する作品が多かったのですか?

難波さん「そういう訳ではないです。色んなケースがあるし、音楽自体に力が無いのは論外なので、常に音楽の力は意識していますが、「想いが強い」のと”自己満足”は違うんですよね。物事(作品)を多面的に見る事が大事なんです。多くの人の関わる作品は、自分だけが主張すれば良い訳ではなく、全体としての視点が必要になってきます。
今回の作品でいえば、土地そのもの、歴史、モニュメント、映像、音、それらが全て一つになってはじめて作品として完成する訳で、自分はその一部として思いの丈を詰め込んで作曲をした…という事ですね。そういう意味で、難しいとは感じなかったし、楽しかったです。展示音楽や舞台や劇伴のお仕事もそういう感じですし、視野を広く持つことが凄く大事だと感じています。」


−難波さんは常に多面的に物事を見る意識を大事になさっているんですね。
では、今までに難しいと感じた作品はありますか?

難波さん「難しかったお仕事かぁ…いつも楽しんでお仕事させて頂いてるので、中々思いつかないんですがw 、簡単なお仕事は一個も無かったですね。どのお仕事も難しい部分は存在するんですけれど、それをどうやって作品として説得力があるものにするか?って考えて作業するのが楽しいんです。ある意味、職人みたいなものです。」

−ひとつひとつの曲を丁寧に、大事に作曲しているんですね。楽しく作曲するイメージが伝わってきます!

難波さん「自分にとって作曲をする、演奏する、というのは生きる事そのものなので。」

−難波さんの生き甲斐なんですね。
話が変わるのですが、今回のプロジェクトでは学生が主に中心となって活動をしています。

難波さん「はい!」

−難波さんは、このプロジェクトに参加している学生達をどのように思っていますか?

難波さん「難しい質問ですね!実際問題、どんな方が何人参加しているか全くお話を伺っていないんですよ。」

−あ、そうだったんですか!

難波さん「ええ。特に絡んでくる方も居ないので、こちらは今どんな感じなのかな??って感じですw むしろ自分が音楽として参加する事をどう感じていらっしゃるのか知りたいくらいですw 山森さんからは企画本体と期日のお話しか伺っていなくて。」

−私自身、個人的にははとても感激しています!!

難波さん「おお…!それは嬉しいですね…!」

−まず、今回のプロジェクトでは静岡文化芸術大学の1年生が20人くらい、静大の方が2、3人が主に活動しているんです。なんとほぼ大学1年生なんで。。。


難波さん「なるほど。良い経験になりますね。どんな形であれ、自分たちが関わった作品が表に出るのは凄く大事な経験です。」

−はい。何もかもが初めてな人ばかりで、最初は不安や焦りなどがいっぱいでしたが、今は楽しみであるばかりです。

難波さん「作品に対する率直な意見を聞ける良い機会だし、もしプロが参加する企画だったらどんどんがっついていって、質問攻めにしちゃうのも勉強になったりしますし!自分は結構現場で色々聞いて勉強してきたのでw」

−でも、意欲的な事は大事ですよね。

難波さん「作品自体に直接関係なさそうなものでも、何でもいいんですよ。そこで使えなくてもいつかヒントになる事があったりするので!
自分は、教師としても長い間活動してるんですが、対話と会話を大事にしてるんです。自分の意見や想いを口に出して言う事が大事だし、意見を交換することで、視野が広がったり、意見や想いが更に深まるし言ったら責任もってやらなきゃいけなくなりますからね!
あとは、ブログやTwitterに書いて残すのも大事です!


−・・・すごく勉強になります!難波さんは教師をして何年くらい経つのですか?

難波さん「教師としては6年ですね。学生時代から教えていたので!」

−学生時代からなんですね!文字にして残す、ということは大事なんですね。

難波さん「確認できるので!何事も責任をしっかり取るっていう事が大事ですから。」

−身にしみます。。。笑

難波さん「誰かのせいにして逃げるのは簡単ですが、それでは何の成長もできないですからね!」

−しかも、ブログやTwitterなら、その言葉でつながれますよね。

難波さん「ですです!
あと自分は「現実」って言葉が好きじゃないんですよ。」


−それはなんでですか?

難波さん「”現実”ていう言葉は使う人の都合良い形に意味をすり替えやすいじないですか?自分が怠けてるだけなのに、「これが現実だから」とか言っちゃう訳ですよ。
でも、実際は”怠けてるだけ”っていう”真実”しかないんです。真実は、それがどんなに残酷だろうが何だろうが、必ず1つしかありません。それを責任もって受け入れて、ちゃんと消化していく事でしか、人間は成長出来ないと自分は思ってます!そういう意味で自分の逃げ道を断つためにも、ブログやTwitterは大事ですねぇ。」


−難波さんはブログやTwitterでその「真実」を見極めているんですね。

難波さん「基本はバカなことばっか書いてますがw」

−それも楽しみの一つですよ!!笑

難波さん「でも、”夢です”って書いたり言ったりした事は、だんだん実現されてきてますよ!」

−おお!では、このプロジェクトで浜松に恩返しをするということも夢ですか?

難波さん「夢の途中ですかね、まだもっともっと色んな形で恩返し出来ると思うし、したいし、夢を超えて行きたいので!」

−私も難波さんの夢を超えるという夢、応援したいです!!

難波さん「ありがとうございます!オタクで変態なぼっちのスペシャリストでも、頑張ってればいいことあるかもだぜ!って主張して行きますw」

−是非!楽しみにしています!!笑

難波さん「自分も浜松に9日に行く予定です。生で見たいので。」

−本当ですか!お会いできるんですね。とても楽しみです!

難波さん「何かイベントあるかも?的な事を山森さんが仰ってたのですが…どうなんでしょうね?とりあえず、私自身が浜松に9日に居るのは確かですw」

−また、次は生で色々聞ける事を楽しみにしていますね。そろそろ時間も良い頃合いなので質問の最後とさせていただいてもよろしいでしょうか?

難波さん「いいですよ!どうぞ!」

−はい!では最後に、今回のプロジェクションマッピングにおいて、これからある展開とはどういったものであると考えていますか?

難波さん「展開…そうですねぇ…」

−難波さんはどういった展開に期待していますか?

難波さん「勿論、モニュメント自体が見直されるきっかけになると思いますし、何より、参加した学生さんが何かしらの夢を見つけてくれれば嬉しいですね。
その夢が、未来を作ってゆくと思うし、多くの人々の記憶にのこれたらいいですね。想い出にも希望にもなる素敵な企画だと思うし、これをきっかけに将来なにかしらの作家になりたいって思ってくれる方も居るかもしれないですから。」


−貴重なご意見、本当にありがとうございます。

難波さん「いえいえ。」

−私はこの機会で様々な事を経験し、学ぶ事ができています。これからも色んな壁にぶつかったりする事があると思いますが、ここで得たものを大事に活かしていきたいです。

難波さん「凄く良い意識ですね!」

−本日は長々とおつきあいしていただきありがとうございました。色々失礼なことやまだまだ言葉が足りなかったことがあったかもしれません。申し訳ないです。。。

難波さん「そんな事ないですよー!またいつでも気軽に話しかけてください!」

−ありがとうございます!恐縮です!また、機会があれば普通にお話を聞きたいです。

難波さん「是非ぜひ!」

−はい!お忙しい中、お疲れ様でした。

難波さん「お疲れ様でした!」


ここでインタビュー終了です。
次回は山森達也さんです。お楽しみに!

▽編集後記

今回もSkypeでインタビューさせてもらいました。とても楽しかったです!難波さんからには多く学ぶことがありました。聞いててとても面白かったです。


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